YUKIZURIについて

YUKIZURI History

YUKIZURIが誕生したキッカケ

僕が数々の世界大会に挑むとき、新しいお菓子を創作するとき、新たな試みにチャレンジするときには、いつも『和をもって世界を制す』という信念が心にありました。

奥ゆかしさであったりとか季節感であったり、自分の中で感じる日本の良さの根底には僕の生まれ育った北陸の原風景がありました。

菓子創作の日々の中で、大きな影響を与えてくれた北陸という地に感謝の念を、これまで培ってきた技術で伝えたいと考えた時、頭をよぎったのは幼少期に見た金沢、兼六園の「雪吊り」でした。

庭園の木々を守る為に、木のてっぺんから放射線状に張られた縄は幾何学的な中に自然との融合を果たした壮大なアートでした。幼い僕に美しさと感動を与えた北陸の冬の風物詩をお菓子で表現出来ないかと考え、生まれたのがこのYUKIZURIでした。

YUKIZURI、そのこだわり

冬の雪吊りを表現するためにどんどんイメージを膨らませていった時にフランスの伝統菓子サクリスタンをアレンジ出来ないかと考えました。

細長くねじったパイに砂糖をくわえたそのお菓子は雪の降り積もった縄を連想させ僕が子供の頃に衝撃を受けた情景と重なりました。その縄に見立てたパイには、加賀藩主前田家家紋「加賀花剣梅鉢紋」をヒントに故郷、能登の梅を使った香り高い真っ白なグラスロワイヤル(砂糖衣)を塗り、縄に降り積もる雪を表現しました。

機械を使わず一本、一本丁寧に手塗りする事でしか、僕の感じた縄ごとに異なる趣を表現をすることはできません。さらに能登の卵、「セイアグリー健康卵」と能登の「揚浜塩田塩」、米どころ北陸の米粉を使用したサブレをパイに重ね、断層が生みだす食感を追及することで、基のサクリスタンとは全く異なる全く新しいお菓子が生まれました。

“和をもって世界を制す”をという僕の信条がまた一つ具現化しました。

YUKIZURI、ネーミング

まず、石川の冬の風物詩“雪吊り”についてですが、一般的にはユキツリ(YUKITURI)と読みます。もともとこのお菓子は“石川県をモチーフとしたお土産”をコンセプトに生まれました。

金沢の方言では古くからユキヅリ(YUKIDURI)と発音します。金沢でもユキヅリと言う人は少なくなってきましたが、雪吊りの縄を張る職人の方たちは今でもユキヅリと発音しています…。

金沢らしさを強調するために後者の発音を名前に取り入れようと決めました。

この発音のですが“行きずりの恋”や“行きずりの女”といった艶っぽいニュアンスを含んだ「行きづり」を連想する方がほとんどかと思います。

しかし行きずりを広辞苑で調べると…

 ゆき‐ずり【行き摩り・行き摺り】

 (1)道ですれ違うこと。また、その時、匂いなどがつくこと。

 (2)道を行くついで。通りすがり。「―に立ち寄る」と言う意味が見てとれます。

お土産にはぴったりの意味合いもこのお菓子には隠されています。僕の地元北陸を尊重する想いや、観光に来られる方々に伝えたい気持ち、様々な想いから行きずりのローマ字表記“YUKIZURI”というネーミングが生まれました。

他にも、ネーミングを決める際に、“Z”がカッコイイからですとか、金沢(KANAZAWA)に“Z”が含まれているからですとか、ネーミングの経緯は(こじつけを含め)多々ありましたが、僕個人の見解としても、お客様にとって読みやすく、視認しやすい表記ではないかと思います。

紛らわしい表記でご迷惑をお掛けする事もありますが、様々な想いがこもったお菓子“YUKIZURI”をこれからもお子様からご年配の方まで幅広く愛され、親しまれるようにスタッフ一同心より願っています。

辻口博啓(ツジグチ ヒロノブ)

クープ・ド・モンドをはじめ世界大会に日本代表として出場し、数々の優勝経験を持つ。

モンサンクレール(東京・自由が丘)をはじめ、コンセプトの異なる12ブランドを展開。

各店舗の製造・運営の他、企業とのコラボレーションやプロデュース、講演や著書出版など積極的に活動。

素材にこだわり、スイーツを使った地域振興や、ベトナムに所有する農薬無散布の茶畑から収穫されたお茶を用いて商品開発などを行う。

また、食育や健康を考慮したスイーツの創作にも意欲をみせる。

お菓子教室「SUPER SWEETS SCHOOL自由が丘校」、後進育成のための「スーパースイーツ製菓専門学校」(石川県)両校の校長を務める。

一般社団法人日本スイーツ協会代表理事を務め、スイーツを日本の文化にすべく、「スイーツ検定」など実施。1967年石川県出身。金沢大学非常勤講師。産業能率大学客員研究員。

http://www.h-tsujiguchi.jp/